わーくすてーしょんのあるくらし ( 321)
2019-11 大橋 克洋
久し振りに作成した「割り箸建築」
奥に三部屋、一部屋は和室の予定。左手にパントリー・厨房・小上がりをまとめ、右手にトイレ・水回りをまとめました。中央部は中国武術の練功もできる無垢の板張りスペース。手前は日向ぼっこもできる濡れ縁。手前左手が玄関がわりの階段、手前右手が小さな植栽。屋根ははずしてありますが、内部から見上げるとテントのようで頂上に熱気抜き天窓のある方形屋根。極力エコでシンプル、機能的な家を目指しました。
<2019.10 天高馬肥之節 | 2019.12 武蔵小山ザ・モール オープン >
◯ 無事之名馬
これは馬の速さや姿を評価するより、いかに長い期間無事で元気でいてくれるかを評価するもの。私の好きなバレーボールでも色々な選手がいますが、アテネ五輪の頃に評判の高かったメグ・カナのコンビ、栗原恵と大山加奈どちらも期待されましたが、ふたりとも大きな故障に悩まされました。最近では長岡望悠や男子の清水邦広など。
多くの選手たちの中でも木村沙織は長期休場につながる大きな故障もなく、長い間トップレベルの選手寿命を保ちました。彼女のしなやかな身体の動き、常に強烈なスパイクを打つのではなく場合によっては柔らかなスパイクやフェイントを決めるなど、あの心身に無理をかけない(ように見える)動きが故障なく過ごせた理由ではなかったかと思います。
長く無事で故障なく過ごすポイントは、木村沙織のような「柔軟さ」と思います。身体の動きもそうですが「柔軟な頭」も大事ではないかと。「何事にも柔軟さが大事」、生きる上での一つのテーマになりますね。これは色々な場面で言えると思いますが、オリンピックのようなスポーツでは「身体を柔軟に思考も柔軟に動かせれば、自己ベストの成績を残せること間違いない」と思います。
後述の WRC でもトヨタのクリス・ミーク、速い時は滅法速いのですが、そう思っていると突然のクラッシュなどやらかしてくれるところさえなければ、、その点では滅法速くかつ常に安定するようになったオイット・タナックは素晴らしい。
人間や動物に限らず機械装置などについても「無事之名馬」が言えます。外来受付で13年余も働いてくれた Apple 社の電気スタンド型 iMac17インチ、時代を経て性能はそこそこになっても可もなく不可もなく働いてくれた名機でした。
◯ 今月の歩術
11月も中旬にかかると大分寒くなってきました。従来ならスポーツシャツを軽く袖まくりしベストだけで早朝散歩に出ていた時期なのですが、今年は早くもフリース裏のジャンパーを羽織って歩いています。歩行距離も今年春頃までは1ヶ月200キロを歩いていたのですが、その後は120キロくらいにダウンしています。毎日歩きは継続していても年齢とともに筋力が落ちてくるんでしょうね。
最近歩きで意念していることは「身体全体で歩く」「体幹が主となって前進し下肢はそれに追従するだけ」「風船が前に転がるように、力のベクトルは上下動なく前方へ」というようなこと。
フィギュアスケートのグランプリが開催されています。昨日は日本開催のNHK杯を観ました。期待の紀平梨花、ロシアの新星アリョーナ・コストルナヤに大きく点差をつけられ2位となりました。コストルナヤの滑りは「明らかに段違いの滑り」と思われるもの。ジュニアからシニアに上がったばかり身体の柔らかさと先天的才能と人並み外れた練習量もあると思われる魅了される滑り「氷とまったく喧嘩しない、氷と一体になった滑り」。恐らく近くで観ていたならガシガシという音は無く、耳を澄ませば聴こえる静かに氷を割くエッジの音だけなのでしょう。
これこそ、まさに私が目指す歩きの極意に通ずるもの。
◯ フィギュアスケート・グランプリシリーズ
NHK杯、男子は羽生君が絶好調でパーフェクトに近い演技で優勝を飾りました。このような時の選手の動きは自信にあふれたもので観ていても危なげない。浅田真央ちゃんも絶好調の頃はそうでしたが、終盤それが失われとても歯がゆく気の毒に思えました。
NHK杯の前、フランス大会とロシア大会に出場した宇野昌磨は絶不調。今大会に当たりコーチ不在が大きな原因でしょう。コーチなしでも取り敢えず行けると思ったのでしょうが、そうだとしたらそれは明らかに奢り。これを良い経験として今後に期待したい。
女子はロシアのジュニア3人がシニアとして台頭し破竹の進撃。オリンピック金を獲り堂々の女王ぶりを発揮していたザギトワも、あっという間に色なしになってしまいました。若手の台頭で彼女の位置も予想外の短期間に終わってしまいそうなのは気の毒。しかし私イチオシだったメドベージェワの絶好調を一撃で撃破したのはザギトワでしたから、現在のロシア女子の世界では仕方のないことなのかも。まさに戦国時代。
そういえばメドベージェワも先のロシア大会では好成績をあげ、その復活ぶりはファンを喜ばせました。彼女の芸術的な滑り、とても好きだな。
ザギトワ、リンクに登場した時から表情に冴えがありませんでした。浅田真央が自信を失った頃に似ている。五輪で金を獲った時は彼女もシニアに上がったばかり、怖いもの知らずで、身体的にもその時期がフィギュアで最も高いパフォーマンスを挙げられる時期なんでしょうね。あの頃から見ると現在のザギトワは身長が大分伸び以前のようなふくよかさはやや減りました、恐らく身長が伸びたことによる身体バランスの変化を体重調整で補おうとしているのかな。
昨年ジュニアからシニアに上がり、世界的にも素晴らしい成績を挙げた紀平梨花ですが、ロシアの若手3人組の台頭はなかなか手強いものがあります。紀平がそうであったように、日本でもどんどん若手が突き上げてきて欲しい。ジュニアで好成績だった本田真凜がシニアになってからは成績振るわず何度かトライしてきましたが、遂にリタイアを表明したそうです。本田の末の妹である本田沙羅が姉のリベンジをしてくれることを期待しています。
◯ ショック:タナック、トヨタを離れヒュンダイへ
WRC:世界ラリー選手権でトヨタ・ヤリスに乗り、飛び抜けた速さで最終戦を待たず今季ワールド・チャンピオンに輝いたオイット・タナック。噂されていたことですが、恐れていたことが起こってしまいました。来季からトヨタを離れヒュンダイへ移籍とのこと。
この世界では選手たちが期の変わるごとに他チームへ移籍することはまったく珍しいことはないのですが、一昔前の絶対王者セバスチャン・オジェに替わって王者となったタナックがトヨタの好敵手ヒュンダイへ移ってしまうことは、トヨタ・ファンにとって大きなショックであることは間違いないでしょう。
昨年まで私の大好きだったエサペッカ・ラッピが今季、トヨタからシトロエンに移籍したのも残念でしたが、タナックの場合はもっとガッカリ度が大きいものがあります。
先月の最終でマニュファクチャラーズ・ランキングでトップのヒュンダイに僅か8ポイント差で迫っていたトヨタですが、10月のスペイン戦でヒュンダイがヌービル1位ソルド3位を占めたことにより、ポイント差が18ポイントと開いてしまいました。マニュファクチャラーの王座決定は今月開催の最終戦に持ち越されました。タナックも今季はトヨタのため力を尽くしてくれると思いますが、あとはラトバラとミークの頑張りにかかっています。
ヒュンダイはチャンピオン2位3位を争うティエリー・ヌービル、アンドレアス・ミケルセン、クレーグ・ブリーン、その他に安定して足の速いダニ・ソルドとかつての絶対王者セバスチャン・ローブが車をシェア、車の性能もトヨタと互角か場合によっては上回ることもあります。ここにタナックが加わることは最強のチームとなること間違いない。
現在チャンピオンシップを争うオジェ・ヌービル・タナックの3人が、それぞれシトロエン・ヒュンダイ・トヨタの3チームに分散していたので面白かったのですが、そのうちの二強がヒュンダイに固まってしまうのは WRC 的にも面白くないのでは、、
さてトヨタ・ガズーレーシング、来季タナックの代わりに誰を入れるのでしょうか。オジェが移籍してくる期待もあるようですが、そうなると嬉しいな。ヤリ=マティ・ラトバラやクリス・ミークの動向は如何に。恐らく今月中にわかるのではないかと思うので、またレポートしたいと思います(というより、あの頃こんな事があったなという自分用メモとして)。
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今月オーストラリアで開催される最終戦が近づくうち、オーストラリアで大規模な山火事発生のニュース。そしていやな予感が的中、この山火事により WRC 開催が出場者はもちろん観客その他に命の危険を及ぼすということで最終戦はキャンセルとなりました。これにより、マニュファクチャラーズ・チャンピオンは自動的にヒュンダイに決定となりました。初めてのチャンピオンシップを獲得したヒュンダイにとってはラッキーでしたが、トヨタにとっては残念無念というところ。私もとても残念!!
地球温暖化の影響はこんなところにも影を落としました。
◯ WRC:トヨタ来年から新メンバーで
嬉しい噂が本当になりました。チャンピオンシップを獲ってトヨタからヒュンダイへ移籍したタナックに代えて、トヨタは王者セバスチャン・オジェをエース・ドライバーとして採用することが決定したそうです。
これに伴いトヨタは全選手を入れ替え、M-スポーツからエルフィン・エバンス、WRC2 で無敵を誇る弱冠19歳のカッレ・ロバンペラを採用しました。ロバンペラはフィンランド籍で父親がWRC優勝経験者という血統。トヨタが WRC 復帰以来チームに貢献してくれたヤリ=マティ・ラトバラとクリス・ミークはチームを離れることになりました。これに対し豊田社長は懇ろな謝意の言葉を贈っています。
ラトバラは人柄も良く一生懸命やってくれましたが、成績イマイチで3年経ているので止むを得ないかも。ミークも速い時は滅法速いのですが、以前ほどではないとは言ってもリタイアすることも少なくなく不安定、これも止むを得ないところでしょう。
オジェのシトロエン離脱が原因で、エース・ドライバーを欠いてレースをできないとしてシトロエンは WRC から撤退を表明しました。そもそもシトロエンは WRC 継続のモチベーションが落ちており、撤退の理由をオジェにおっかぶせたのではないかと個人的には勘ぐっています。オジェはシトロエンで頑張ってきましたが、マシーンの向上がイマイチのようで、性格の良いオジェは表立った不満を表明しませんでしたが、チラッとそのようなことを漏らすこともありました。そんなことで、オジェとシトロエンの間には裏で確執があり、それが弾けた結果ではないかと、、
WRC からシトロエンが抜け、ヒュンダイ・トヨタ・M-スポーツの3チームだけになってしまうのは余りにも寂しいですね。2022年 WRC のルール変更に伴い、スバルが復帰するかもという噂があります。熱烈に期待します。
エバンスは最近かなり速くなってきて「こりゃ手強くなるかも」と思っていたので、彼のトヨタ移籍は嬉しいニュース。ロバンペラも同様ですが、彼はまだ若いのでかつてのラッピがそうだったようにトヨタで経験を積んで、いずれエース・ドライバーに成長してくれると嬉しいなと、、
そんなことで、来年の WRC とても楽しみ。とりあえずは1月のモンテカルロ。全くの新メンバーによるレースとあって最初から大きな期待はできませんが、ベテランのオジェはそれなりの走りを見せてくれるでしょうし、他の二人の走りも楽しみ。数カ月後にはトヨタでワン・ツー・スリーのフィニッシュが見られたら嬉しい。しかし強豪ドライバーばかり集めたヒュンダイが相手ですから一筋縄ではいかないでしょう。ヌービルとタナックというダブル・エースを抱えたヒュンダイのチーム・ワークや如何に、、
◯ 最近の Apple 製品の進化
ネット上で見つけた次のような意見に「なるほどなあ、何か胸につかえていたのはそこだったか」と思いました。
これはアップルに限らず、グーグルやマイクロソフトにも当てはまる話だと思うのですが、iPhone をはじめとする今のスマートフォンは、ウェアラブル端末という次のステージになかなか進めないがために、仕方なくアップデートを繰り返している「おためごかしの残骸」でしかありません。新製品を開発しても、それはユーザーのためではなく、あくまでも会社の利益のためにしかなっていないということです。
最近の iPhone などのアップデートを見ても何か食欲のわかない原因はここにあるのだと思い当たったのです。Jobs 健在なりし頃、彼が世の中に出した製品は「ユーザの生活を向上させユーザに喜んでもらえる」ことを望んだ革新的なものでした。ですから、新しい製品がリリースされると、それはドキドキわくわくしたものです。
ところが Jobs 亡きあと Apple から出される製品は、やたら高価なだけで魅力がない。折角新しい製品をリリースしたにもかかわらず革新的変化はほとんど見られず、ちょっとした小手先の変化のみ。私の iPhone は7のままです。その後何度かアップデートはありましたが、そこから革新的進化は見られまず買い換える気にならない。7になって一段上がったのは、モバイル・スイカが使えるようになったことでした。
私が欲しいものは上記意見にもあるように「ウエアラブルなコンピュータ」としてのデバイス。グーグルグラスのようなものがとても欲しいと思っています。今から15年以上前でしょうか、ある所でグーグルグラスと同じようなメガネ型デバイスのデモを見せてもらったことがあります。グラスに投射される映像はとても違和感のない自然で快適なもの。「これって、いつ頃売り出されるんですか?」と質問したところ「もうすぐです」との返事だったのですが、あれから15年以上経た現在まだ実現されていません。
◯ 絶滅を危惧されるもの
日本はおもに仏教・神道の国と言ってよいでしょう。各家の多く、奥まった座敷には仏壇があったものです。旧家はともかく、最近の家の多くに仏壇は見られないことが多くなりました。我が家も六男であった父の世代、神棚はあっても仏壇はありませんでした。
しかし父の他界をきっかけに、その長男である私としては我が家に親を祀る仏壇が必要と考え、鎌倉霊園に墓地を購入するとともに仏壇を購入しました。仏壇の上には父の代からの神棚も祀ってあります。仏壇と神棚を一緒に祀るのはどうかという考えもないではないものの、世の中にはこのような設置をしている家もあるようです。心の中では亡き父を想ってはいても、親不孝な私は仏壇に毎日参ることはしていませんが、家内と末娘が毎日仏壇に線香をあげて参ってくれています。今、仏壇には亡き両親と先妻が入っています。
しかし恐らく私がいなくなっても息子が自分の家に仏壇を祀ってくれるとは考えにくいですし私の期待するところでもありません。このようにして、私の次の世代から仏壇や神棚は消えてゆくのでしょう。そしてこれが日本の多くの姿になるのだろうと思っています。
この流れはお寺や墓地にも影響し、それらの多くも家々との繋がりが薄くなって行き、次第に消えて行かざるを得ないのではないでしょうか。神社の場合はお正月のお参りとか、シンボリックな意味ですでに淘汰されたものだけが残っているのではないかと思います。お寺もそういう意味では同じ流れになるのでしょう。
家から仏壇や神棚が消えて行き、世の中からお寺が淘汰されて行く、日本から伝統が消えて行くという意味で何か索漠とした想いになるのでした。
黄金葉の はらりと舞って 冬隣 (克洋)
「冬隣(ふゆとなり)」とは「秋の終わり、すぐそこに暗く厳しい冬の迫っていること」を表します。「黄金葉」は無理やり作った言葉、色づいた銀杏を表します。本当は「私の青春時代、シャボン玉のように消えた初恋のあと、あっという間にやってきた師走」の想い出を謳ったもの。歌詞の内容がこれとは違いますが、ちあきなおみの「冬隣」悲しくて胸にジーンと滲みる好きな歌ですね。この歌を聴いて「彼女をこんな気持にさせてはいけない」と結婚することにしたという男性の話をききました。
これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です