先月はSunのハードデイスクがクラッシュして、再びシステムを使えるよ うにするのにえらく日時をとってしまった。ついに寿命を全うした東芝製のU X-300の場合は、6年間にハードデイスク・トラブルらしきものは一度も 経験せずに終わったが、Sunの方は3年目でHD1台が完全にオシャカになっ た。
Sunの導入時、予算の関係もあって(当時のSun-3の値段は今の数倍 した)HDは70メガで出発した。しかし、UX-300と違い、Sunはか なりディスクを食い、ユーザエリアが殆どとれないことがわかったので、もう 一台増設して140メガとした。最初から付いていたのが富士通製のドライブ で、伊藤忠が増設してくれたのが米国製のやつである。そして、どちらが壊れ たかというとアチラ製の方で、やはり国産の方が信頼製が高いのかなあと思っ た次第。
ダウンしたSunは診療所で仕事に使っていて保守契約も結んでいるので、 早速連絡してクラッシュしたドライブを交換ということになったが、何だかん だで2,3日かかる由。# HDで思い出したが、この間b誌のm先生のエッ セイに私のHDのことがちょっと触れられていた。m先生ご無沙汰してます。
とりあえず70メガでシステムだけ立ち上がるようにしておいて、ディス クが届くまでの間イーサネット経由で自宅のSunにリモートログインして使 うことにした。何せ仕事を「電子カルテ」化したので、これが動かないと仕事 にならない。はからずも、イーサネットでWSをつないだ最大のメリットの一 つを享受することとなった。
数日後HDが交換され、今度は少し全体のシステム構成を変える作業にかかっ た。というのは、今までは自分のホームディレクトリーは仕事場のSunの上 だけにあり、自宅のSunで使う場合もNFSでここを共有していたり、その 他色々なディレクトリーを共有していたのである。
この構成は、どちらのマシーンを使っても同じ環境になり、個人で使うには 便利なのだが今回のようにどちらかのマシーンがダウンすると残った方もまと もに動かなくなる。例えば日本語をサポートするJNIX関係やNemacs など、私のところでは今や日常生活に無くてはならないものとなっているが、 これをNFSで共有し片方のマシーンにしか載せていなかったりすると仕事に ならなくなる。
今までは、安易に使えることとディスクスペースを節約することで、やたら とNFSを張りめぐらしていたのだが、今度から夫々にスタンドアローンでも 動くことを前提に、必要なディレクトリーのみをNFSで共有できるようにし た。
こんな事で、何だかんだと10日以上時間を食ってしまったという次第であ る。しかし、システムに精通するには余り安定した機械を使うより、しょっちゅ うダウンする方が良い(?)ということは言える。最初はおっかなびっくりだっ たカーネルのコンフィギュレーションなどもシステムダウンや、度々のOSの バージョンアップなどを経て、最近は気楽に出来るようになった。
そんな訳で、例の医師会の経理システムの開発が滞ってしまったので、何と か夏休の間に格好を付けたいと再び取り組み始めた。HyperCard、4 th Dimensionと試みたが、4-Dはマンマシーンインタフェース とスピードの点で、HCを越えるところにはならなかったことは既に述べた。 伝票入力のところは、HCの面目躍如たる出来ばえに仕上がったのだが、これ を集計するところになると、かなりトロくなってくる。
それではと、今度は仲間からExcelを貸りて挑戦してみることにした。 以前マルチプランを使っていたことがあり、同じMS社のエクセルの基本的機 能はすぐ理解できたが、その特徴であるマクロ機能を理解するのはそうスムー スではなかった。
エクセルに関する本を4冊ほど買ってきてマクロを組みはじめたのだが、マ クロの解説は、どの本も初めての者にとってスンナリ理解できるようには書か れていない。とにかく例文がついているのが一番、それさえあれば何とかなる さ、としつこく食いさがって、ようやく2日目に大体の感じを理解してマクロ を組み始めた。
これに比べ、EmacsのLispや、ハイパーカードでアプリケーション を書き始めた時は、こんな思い全然無しに最初から少しずつ理解し、自然に入っ ていくことができた。
エクセルのマクロを初めて使って感じたことは、今でもこんなことやってん の、ということだった。というのは、その言語仕様(と言って良いのだと思う) がまさにBASICそのもの、いくらMS社の製品とはいえ、今の時代もう少 し使いやすい言語仕様にしてはどうなのだろうか。
そもそも自分もBASICからコンピュータに入った方で、BASICを軽 蔑するつもりは毛頭ないが、ハイパートークよりエクセルのマクロの方がずっ と使いやすいと思っている人があるのだろうか。BASICのマイクロソフト 社だからなのか、ビジネスソフトのかなり多くが現状でもBASICで書かれ ているからなのか。
こんな具合なら、エクセルのマクロの組み方を理解しやすく解説した本を書 けば結構売れそうだなあとか、ビジネスソフトの世界って、まだこんなに大変 なんだあ、と変なところに感心したりした。
ところで、その結果であるが、エクセルを使って集計をやってみると当然の ことながら早いので、これでマクロを巧妙に書けばイケルかなと思い、本格的 に月報を出すところまで行ってみるたのだが、あにはからんや、やはりイケマ セン。沢山の勘定科目毎の集計を出して、これを元に月報を出す作業をマクロ で書いてコマンド一発で動かすところまでは良いのだが、データが多くなると 延々と時間がかかる。
マクロをチューンアップして、もう少しスピードアップがはかれるとは思う が、今より極端に速くなることは考えられない。そうかあ、となると、これは マックのハードウェア自体の問題だなあという感じがする。
どうせたいしてスピードが変らないなら、やはりマンマシーンインターフェー スが良くて快適にプログラミングできるハイパーカードが良いだろう、自分に は一番合っているし、と二転三転。あとはアクセラレータなどのハードウェア を入れてスピードアップする手かも知れない。
このように、色々なツールを使って問題解決に取り組んむことは大変面白い ことであるが、今やソフトウェアは従来のようにフィックスされた機能だけを 提供するのではなくて、ユーザの要望に対応する何らかの言語機能を有する時 代となってきている。
HCしかり、エクセルしかりであるが、何といってもE macsは凄い。「電子カルテ」も本格稼働を始めてから3か月目に入り、そ の後色々な機能を追加したりチューンアップを施したりで今ではかなり複雑な アプリケーションとなってきた。毎日の仕事の中で「こうあったら」、「こん な物が欲しい」と思うたびに機能を追加してきたが、片手間でも実に簡単に実 現できてしまう。