わーくすてーしょんのあるくらし ( 394 )
大橋 克洋
katsuhiro.ohashi@gmail.com
わーくすてーしょんのあるくらし ( 394 )
大橋 克洋
katsuhiro.ohashi@gmail.com
中国武術の老師は「すべての技を極めた後は技を考える必要はなくなり、ただ自然に振る舞うだけ」と説きます。中国武術には実に様々な流派がありますが、同じ流派の中にあってもこれまた様々な技が伝えられています。これらは千年以上にわたる中国の歴史の中で色々な人が改良を加え進化してきたもの。武術を学ぶにはこの多種多様にわたる技を繰り返し繰り返し鍛錬します。そうした長い年月の末に多くの技が身につくと、いざという時、学んだ技をいちいち考えることなく、状況に応じ身体が動くままに任せることで良いということ。深く武術を学んだ老師にイザという時の対応を尋ねると「ただ、ガンとやるだけ」。実際それで相手は一発で参ってしまう威力を発揮。
私も「歩術の研究」と称し、ほぼ20年にわたり「いかに効率よく歩けるか」について試行錯誤、その様子を都度このコラムで報告。その過程で色々な歩き方のコツを会得しました。そして現在、言えることは「歩きのコツは、一つの歩法に限定されるものではない」「道や地面などの環境、身体の状況などに応じ歩法も変化していく」ということ。そして各種歩法が身についてくると、いちいち歩法について考える必要なく自然に歩くだけ。自然に歩くことで、過去に身につけた色々な歩法が状況に応じ現れてくる。
地球温暖化により、春と秋が一瞬で過ぎ去り極寒の冬と酷暑の夏が多くを占めるようになったのもそうですが、日本の暮らしから季節感が消え去りつつあるのを、とても寂しく思っています。
以前は12月に入れば街にジングルベルが響きわたりクリスマスツリーなどの飾り付けがあふれ、大晦日の TV 放送は除夜の鐘を背景に雪や寒空のなか社寺への初詣の景色、3月は雛祭り、5月は鯉のぼりや武者人形を飾って端午の節句などなど、、どれも消えつつあるなあ
今年は3月3日になっても TV 放送で雛祭りについて触れられることさえ殆ど無かったように思います。日本人が大切にしてきた季節の節目、節目の営み、若い人にも少しは大事にして欲しいんだがなあ
末子だった父が亡くなった時、墓地を本家から分け鎌倉霊園に新しく建立しましたが、世の中の若い世代からはもう先祖を大切にし墓を守るという観念自体が消失しつつあります。ご多分に漏れずウチもそんなことが予想され、私の代で墓仕舞いや海への散骨など考えるべきなのかなあなど、、ということは、お寺や神社はこれから大変ですね。日本の文化遺産である多くの神社仏閣もこれからどんどん消えていくのかなあ、、などと寂しいことを考えてしまう
一昨年の今頃の「歩術の研究」を読むと、白内障手術後2週間の運動制限のためすっかり筋力が落ちてしまったが「脱力した前肢を前へ振り出し、着地した脚でしっかり大地を踏みしめ上体を支える」意念で歩くことにより疲労少なく歩けるようになってきた、というようなことが書かれている。
現在は「前へ振り出した脚でしっかり大地を踏みしめ、それを同側の股関節で受け止め、その脚に体重を載せ(伸び上がるような感覚で)歩く」「着地で身体全体がボールのように圧縮され、反動でボールが弾むようにリズミカルに身体を前へ進める」「登坂では振り出した前肢を棒のようにして着地、棒が自然に前へ倒れることにより力をほとんど使わず登坂できる。すなわち、前進気勢さえあれば重力によって登坂(急坂ではそうもいかないが)」。この時「全身を脱力、操り人形のように骨だけで体重を支え歩く」「常に上体をまっすぐ起こしておくこと」が重要。
老化に伴い2キロも歩くと疲労で「ベンチ休憩」、5分ほど休憩すると疲労感なく復活できることから「老化により疲労物質が溜まりやすくなった。歩いても疲労物質を貯めない工夫をしよう」と以前書きましたが、この「全身脱力し振り出した前肢でしっかり大地を踏みしめ、リズミカルに全身の弾力を効かせ歩く」「操り人形のように骨だけで歩く(なるべく筋肉は脱力したまま)」ことが、疲労物質の蓄積を軽減する効果があるようです。この要領で今月は1日平均7キロ近くまで歩行距離を戻すことができました。
前傾姿勢、側対歩で走る「江戸走り」を考案した方の説明では「江戸時代の歩き方や走り方について具体的記述はみつからないが、速く走るには全身を脱力することと書かれている」。そうだよね、これは私も20年以上前から会得したこと。
ある委員会募集に手を挙げました。30年ほど前と15年ほど前にも所属したのですが、当時は皆が前向き積極的意見の元とてもスムースに進行し事業遂行ができました。時代は替わり世代も替わって、今度の委員会では独演会のようにダラダラ自分の主張を繰り返す困ったちゃんなどいて、以前のように意欲的に楽しいものではありません。
「手を挙げて失敗したな〜」と思う一方、イヤイヤ、以前の経過を知っている自分が参加することで少しでも役に立てればという気持ちも。そんな中で、かの困ったちゃんから「会議が秘密裏に行われるのは良くない。毎回議事録をとって構成員全員に公開すべき」。以前私が属した会議では誰か提案すると「じゃ、君やってね」という「言い出しっぺの法則」で発案者が実行役となり楽しく事業が進行したものでした。で、「じゃ議事録お願いします」と言うと「私はパソコンも使えないので無理」とのたまう困ったちゃん。なら、俺がやったるわい、と「私が議事録作成やります」となったわけ(思いつき発言を際限なく行ったり他人を非難する人間の定番は、まず「言うだけ」「自分では実行しない」)。
会議を録音しテープ起こしのつもりでしたが「AI を使うと議事録作成なんて数分もかからない」と聴いて「へえ〜、そうなんだ」と試してみることにしました。iPhone 標準アプリで会議を録音、アプリのメニューを開いてみると「文字起こし」というのがあり、選択すると2時間ほどの録音が1分もかからず文字起こしされたのには「へえー」。で、「こいつをどうやって AI に喰わせるんだろう」。最近愛用の Jemini では、録音を喰わせ議事録作成の方法がわからない。chatGPT の入力欄にベタの文字起こしをペーストしてみました。するとメニューに議事録作成を発見、それを選択すると、瞬時考えた後、1分もかからぬうち、しっかり要件整理された議事録が吐き出された「スゲエ!」。それをチェックし必要に応じ加筆訂正。でも、訂正箇所は無いに等しいほど完璧。AI の能力の凄さに今更ながら感服したのでした。
先日の冬季五輪を見ていて「これからは微妙な判定には人間より AI の方が適しているに違いない」と思いました。
例えば、スピードスケートのマス・スタートなどで複数が滑っている時「他の選手を押したり走路妨害をした」などの微妙な判定は、人間より AI の方が正確な判定を下せるかも知れない。その他にも微妙な判定のために何度も録画を見直しながら審判達が、あーでもない、こーでもない、と議論することはよくあるだろうと思うのですが、AI なら一瞬で決まるはず。
ただし現状では AI をもってしても誤判定がまったくないとは言い切れない。そこをどうするかという問題はありますが、いずれにせよ次の五輪では、審判に AI が加わることはまず間違いないだろうなあ、、
何十年も前から中東は世界の火薬庫とよばれ、一旦 火が入れば手のつけられない大爆発になると言われてきました。あろうことかトランプ米大統領が先月末そこに火をつけてしまいました。遠謀深慮とは関わりのない思いつき発言・行動の多い彼のことですから、目先のことだけ考えての行動だったのだろうと思いますが、メラメラ燃え上がった火は簡単に消せる状況ではなく、彼の関税政策の影響による物価上昇に加え今回のことでガソリン価格の上昇などトランプ支持率30%台と過去最低になっています。
イスラエルの煽りもあるのか、トランプはそれでもイランへの軍事作戦を続け、イランはその報復として周辺諸国の米軍基地にミサイルやドローン攻撃をしかけ、世界へ石油搬出経路であるホルムズ海峡閉鎖を行っています。また石油関連施設への攻撃などあり、中東地域からの石油提供停止は今後も長期間続くことになりそうです。
トランプ大統領は欧州はじめ各国へホルムズ海峡封鎖への対応など求めましたが、欧州は「我々に何の相談や連絡もなくトランプが勝手に始めた戦争に今さら手を貸せと言っても、それはないだろう」と見向きもしません。そりゃ、そうでしょう
中東からの石油依存9割を超える日本は、かなりの備蓄があるとはいえ、いずれ底をつくことは目に見えています。この危機に対し欧州では石油依存から脱却するべく国民の生活改善を考え始めていると聞きます。日本も早くその方向で努力すべき。この状況がなくとも以前からあった石油依存からの見直しの声。ガソリンの節約は勿論、プラスチックなど石油製品を減らすことは喫緊の課題である地球温暖化への対応、地球環境改善へ大きな効果がある。そもそも有限の資源である石油への依存はそろそろ考えなければいけない。政府・マスコミはこのような生活改善の呼びかけや提案を早急に始めるべき。
84歳になりました