わーくすてーしょんのあるくらし (2.5)
1996-06 大橋克洋
< 1995.10 携帯型 NEXTSTEP マシーン | 1996.11 ネットワーク・トラブル >
継続発行宣言をしながら、自主発行ですと編集部からの催促などないので「つ いつい」がもう半年以上経てしまいました。 ご存じのように毎日の診療は NEXTSTEP 上で動く電子カルテを使っているので すが、最近は地元医師会副会長やら東京産婦人科医会常務理事などという役職が 増えたため、より多くのタスクをこなさねばならなくなり、よる年なみで自分の CPU パワーの低下をつくづくと感ずるようになりました。そこで一念発起して 「よし、てめえのパワーが落ちたんならマシーンのパワーを上げるベエ」とい う、まことに短絡的な発想でもう一台マシーンを入れることにしました。
最近ますます医療財政への締めつけは厳しく、一昔のように大きな設備投資は 困難になってきています（これはまったく問題です。拡大再生産ができないとい うことは、良い医療を提供するにも大きな弊害を生じつつあります。果たして社 会は、どの程度気がついているのでしょうか。ま、その話はまた次にして）、 で、リースで PC 互換機を一台入れました。
今まで仕事に使っていたのは DX-4 でしたが、今度はペンテイアムの166MHZ、 メモリーは48MB とおごりました。やー、さすがに快適です。何が快適になったか というと、まず電子カルテ WINEがスコンスコン動く。サーバ・クラアントである ことと、オブジェクトとして色々なものをメモリー上に持ってくるので、新しい カルテを開くのに結構タイムラグがあったのですが、これで仕事中のストレスが 大分解消されました。
もうひとつ画期的に違ったこと、それはコンパイルが速くなったことです。私は Motorola, Intel, SPARC の３つの CPUでそれぞれ NEXTSTEP を使っています。 それらトリプル・バイナリーのアプリケーションをコンパイルしようとすると、 えらく時間がかかったのですが、今度は本当に小気味よくコンパイルしてくれま す。これはとても有り難い。
NEXTSTEP の場合、コンパイル作業にネットワーク上の別のマシーンの CPU を 割り当てることが簡単にできます。自宅書斎の由緒正しい黒 NeXT から、このペ ンテイアム・マシーンを指定してコンパイルできます。こういうところが NEXTST EP の素晴らしさのひとつです。愛着のあるオールドマシーン上で、最速 CPU(と も言えませんが)を駆ることができます。まさに至福の一時です。
数年前、一家に一台ではなく、家族の一人に一台コンピュータ作戦を実行した ことを書きました。時代は変わって、もうこんなこと珍しくなくなりましたね。 その後どうかというと、オヤジが余りくるい過ぎているためもあって、家族のコ ンピュータを見る目は大変覚めているのですが、居間の Mac から WWW を使える ようにしたところ、少しは使ってくれているようです。
一番下の娘が動物大好き人間で、Web のサーチ・エンジンを使って色々な動物 の写真を集めたりしています。昨年は犬の訓練のことを知りたいというので、一 緒に捜したところ、カナダで犬の訓練のビデオを売っているのをみつけました。 早速そこでオーダーすると一週間も経たずに宅急便で届いたのには驚きました。 便利な世の中になったものです。
これから Web を一番使うのは絶対に家庭の主婦だと思います。居ながらにして カラーのカタログを見たり、評価を読んだりしてからオーダーすれば、品物が宅 急便で届きお金はカードで落ちるということで、衝動買いが増えるでしょうね。 で、最後に本題のイントラネットです。いろいろなボランテイア活動をマルチ にこなしていて、委員会だとか理事会で夕食は外で食べることが多いのですが、 食事の予定は事前に教えておいてもらわなければ困るといつも家内におこられま す。しかし予定は未定ということで、ダイナミックにどんどん入りますんで、な かなかリアルタイムな伝達は困難です。
そこでインターネット向け HTTP サーバとは別のマシーンで、家庭向けのサー バを上げました。居間の Mac で Netscapeを使って私のスケジュールを確かめら れますし、その他いろいろな共有情報を見ることができます。ちょっと便利か な、と思っています。